愛人 ラマン マルグリット・デュラス(著) 河出文庫 の書評・感想 2022.01.15 カテゴリー1 とかく性愛部分だけが取りざたされてスキャンダラスに語られることの多いこの作品。ただ許容するにせよ拒絶するにせよ、感情的に揺さぶられているだとしたらそれは作家デュラスの腕がたしかだということだろう。ノーベル賞作家のバルガス=リョサが『若い小説家に
北回帰線 ヘンリーミラー(著) 新潮文庫 の書評・感想 2022.01.15 カテゴリー1 なにかを書きはじめようとするときいつも思い出すのはミラーのことば。“ぼくは諸君のために歌おうとしている。すこしは調子がはずれるかもしれないが、とにかく歌うつもりだ。諸君が泣きごとを言っているひまにぼくは歌う。諸君のきたならしい死骸の上で踊ってやる。”劣情にまかせて書き散らし、推敲のあ